2010年2月25日

1月20日にドゥバイの高級ホテルの一室で、テロ組織ハマスの幹部で武器調達に重要な役割を演じていた人物が、絞殺されているのが見つかった。

ドゥバイの捜査当局は、犯行の2時間後に出国した11人の男女をインターポールを通じて国際指名手配し行方を追っているが、ハマスを最も敵視しているイスラエルの対外諜報機関モサドによる暗殺という見方を強めている。

11人の男女は別々にドゥバイに入国していたが、市内のあちこちに設置された監視カメラにその姿を撮影されていた。

まだモサドの犯行と断定されたわけではないが、その疑いは濃厚だ。

イスラエル人には、欧米人風の人が多いし、色々な言葉を母国語並みに話す人が多いので、スパイ稼業には非常に向いている。暗殺チームの男女は、イギリス、フランス、ドイツの偽造パスポートを使っていたため、特にイギリス政府はイスラエル大使を呼びつけて抗議している。

ミュンヘンでのテロに関与したパレスチナゲリラを次々に暗殺するモサドの要員たちを描いた「Munich」(スピルバーグ監督)という映画があったが、ドゥバイの事件はこの映画のとおり、政治的暗殺や誘拐の伝統がモサドに生き残っていることを示した。